炎上マーケティングの効能を得られるのはどんな人たちか

  担当Y

炎上マーケティングの効能を得るための方法について考えてみました。

「炎上マーケティング」という言葉があります。これを我々のビジネスに役立てる方法はないのでしょうか。

炎上マーケティングの定義

炎上マーケティングという語は知恵蔵2015で以下のように説明されています:

ウェブサイト上での、不適切と思われる発言や表現をもとに生じる「炎上」を、広告宣伝に利用する手法。「炎上」とは、ウェブサイトなどに掲載された内容に対し、批判的なコメントが殺到して、収拾がつかなくなる様である。「ブログ炎上」がよく知られている。炎上マーケティングでは、意図的に「炎上」を狙った発言を行い、商品やお店の売り上げ、個人の知名度を上げることを目的とする。
本来、「炎上」とは、悪い評判による結果であり、決して望ましい現象ではない。しかし、「炎上」によって、多くの人に注目されることは事実である。また、多大な費用をかけることなく、周知される可能性も高い。そのため、あえて不評を買い、「炎上」を引き起こすのが、同マーケティングの手法となる。

炎上マーケティングの成功例としては、2010年ルーマニアチョコレートROM」の事例が有名。「ROM」は、ルーマニアの国旗が印刷された歴史のある国民的なお菓子だが、売り上げが低迷していた。そこで、メーカーは、ウェブサイトなどで、パッケージアメリカの国旗(星条旗)に変更したと告知したのだが、この変更が国民の愛国心に触れ、反感を買い、「炎上」が起こった。その後、メーカーは、すぐさまパッケージを元に戻し、国民の愛国心によって元のパッケージに戻ったと伝えた。その結果、「ROM」の売り上げは増え、この企画は、カンヌ国際広告祭の2部門でグランプリを獲得した。

(以下略)

炎上マーケティングに意義が生じる条件

炎上マーケティングをあえて行う意義が生じるために必要となるのがポジティブなリアクションよりもネガティブなリアクションの方が引き出しやすい状況です。そうでなければあえて嫌われる意味がありません。

ポジティブなリアクションの方が引き出しやすいのならば、バズマーケティングを仕掛けた方が直接的かつ低リスクで効能を得ることができます。ちなみに、バズマーケティングとは以下のようなことを指します:

ウェブ上で一挙に話題が広まる(バズる)ことを利用したマーケティング手法。ソーシャルメディア上の口コミを利用することを指し、バイラルマーケティングとほぼ同義。

炎上マーケティングの効能を得るための条件

仮に望み通りに炎上させることができたとして、ここから効能を得られるケースは次の通りです:

  • 叩いている人たちを手のひら返しさせる秘策がある
  • 炎上しさえすれば目標が達成できる

叩いている人たちを手のひら返しさせる秘策があるケースというのは具体的には先に引用した「ROM」の様な場合です。しかしながら、そうそううまくいくとは思えないやり方です。

炎上しさえすれば目標が達成できるケースはさらに以下のように二分できます:

  • 知名度さえ得られればそれでよい
  • 炎上している中でなぜか擁護に回る人たちを抽出する

知名度さ得られればそれでよいケースは例えば以下のような場合です:

  • 構ってもらうことで承認欲求が満たされる
  • PV報酬型広告で収入を得ている
  • 獲得したPVを実績として情報商材の販売を行う

など。知名度やそれを示す数値のみが重要で、その内容が問われない場合には安定して効果を得ることができるでしょう。

炎上している中でなぜか擁護に回る人たちを抽出するケースは、主に妄信的なファンを確保することを目的としています。炎上の規模が大きくなれば、その中にはなぜか炎上している対象に対して擁護に回る人たちが必ず出てきます。その人たちは妄信的なファンになる可能性を秘めています。彼らが何らかのアクションをしてきたときにはそれに対して手厚い対応をすることでさらにその信奉は強固なものとなります。この効能を安定的に得られるのは例えばカルトの崇拝対象です。

その他、炎上マーケティングの成功事例に列挙されているケース

炎上マーケティングの成功事例として列挙される人たちはおおよそ上記のような内訳になるのですが、それに加えて以下のようなケースが列挙されます:

  • 意図せず炎上して奇跡的に消化に成功し、知名度だけが残った

つまり、上記の「叩いている人たちを手のひら返しさせる秘策がある」ケースと偶発的に同じ状態になったケースです。偶然起こったことを安定して再現させるのは、意図的に起こしたことを安定して再現させるのとは比較にならないくらい難しいことです。多くの場合、参考にはならないでしょう。

まとめ

炎上マーケティングの効能を安定的に得られるのは以下の人たちです:

  • PVが稼げればなんでもいい人
  • カルトの崇拝対象

また、炎上マーケティングの成功事例として列挙される人たちとしては上記に加えて以下の人たちを加えることができます:

  • 意図せず炎上して奇跡的に消火に成功し、知名度だけが残った人

顧客に対して長期的に価値を提供していこうと考えている人たちがあえて炎上を狙う意味は滅多にないでしょう。


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